日本刺繍工房&ギャラリー繍房"朱"。日本古来の伝統工芸「日本刺繍」の作品を制作、刺繍教室を開催
作品展示室
作品展示室
黒の御召生地に桜のデザインを、さしぬい、まつりぬいなど、基礎的な技法で繍いました。黒地には、どんな色もよく映りますが、ちょっとモダンな感じの配色にしてみました。 華やかな色の綸子地に、さしぬい、駒どりぬいで、牡丹の花のイメージを刺しました。和装、洋装、どちらにも使えるフォーマルバッグに仕立て上がりました。 曲線の流れを旨く表現するのは、案外難しいものです。涼しい秋の風を少しでも感じられたら成功ですね。草木染の紬地の自然な茶の色には、素朴な秋草がピッタリ。 桜は一番よく繍われる題材です。デザイン化しやすく、多彩な表現方法が可能なので、様々なパターンで繍ってみるのですが、なかなか満足することができないでいます。さすが日本の国花は奥が深いです。 季節を問わない唐花のデザインも、よく使われる題材です。いろいろな技法を組み合わせて遊んでみました。板締め絞りの布のボカシを効果的に使った作品です。 必ず一度は繍いたい「おひなさま」です。私の好きな朱赤の着物を着せて・・。顔を入れるときは一番緊張します。どことなく自分と似てしまうらしいですが・・。 これも一度は挑戦したい題材。紐ぬいや駒埋めぬいなど、みっちりした技法がたくさん使われているので、達成感の大きい作品です。また違った配色で挑戦したいですね。 帯のお太鼓柄です。謡曲をなさる方のために創作したものです。能舞台の凛とした雰囲気と、その方のイメージを思い浮かべながら心を込めて繍いました。 飾りぬいを多用した作品。平面的にデザインされた蝶は、昔からよくみられるのですが、本物とは全く違った柄を千代紙を貼るように組み込んでいく様式は日本人特有の感覚だ・・といわれたのが、心に残っています。 最初のイメージは、源氏物語の“朧月夜の君”でした。創作的な人物を繍った最初の作品でしょうか。扇の陰からチラリと見える顔がポイントです。源氏にこだわらず、自由に物語を想像してもらえると嬉しいです。 ぜんまい織の帯地に刺繍しました。ざっくりした紬の生地に合わせて、刺繍糸だけでなく、太い織り糸をとじつけたり、部分的にパッチワークをしたりして、工夫しています。 野蚕糸の帯地に、殆どの部分は片撚りした糸をとじつけています。紐の流れ方に結構悩みましたが、微妙にぼかしを入れ、上手く仕上がったと思います。 これも、ぜんまい織の帯地です。波の部分は天然の藍で染めた太い真綿の糸をとじつけています。目と、体の麻の葉模様の部分は紅花染めの糸をつかっています。自然の色は、どことなく柔らかく、ぜんまい織りの布に馴染みます。 ほろ酔い加減で、ほんのりほっぺを赤くした兎のダンナ。酒の入った瓢箪持って、提灯片手の帰り道。空を見上げりゃ、まんまるお月さんが・・・。という場面。 ぼかしの色が美しい米沢織りの着物地を使用。疋田ぬい、さがらぬい、まつりぬい、駒どりぬいの4種類を技法で、ひまわりを表現してみました。 あまりしたことのない色使いをしてみよう・・と思い、繍い始めたのですが、小さい作品ながら、“やっぱり”苦心しました。どちらかといえば「メープル」という感じになりましたね。 板締めしぼりの不規則な色合いを水面に見立てて、睡蓮を刺繍したテーブルセンターです。モネになった気分でお茶などいかが? きれいな紫色の布を手にしたとき、考えていた人物のイメージがピッタリと重なりました.一番苦心し、こだわったのは、髪と顔の部分です。。慈愛の表現をうまく出せたでしょうか? 図案はどうしてるの?と、よく聞かれますが、もちろん自分で描いています。この作品も音楽を聴きながら浮かんだイメージを何度も何度も書き直して、刺繍の図案にしていきました。 というわけで、かなり時間が掛かりましたが、出来上がったのがこの作品です。古典的なものから抜け出して、自分の内側の世界を刺繍という技法を使って表現する・・・ということに自信が持てるようになった、ターニングポイントの作品です。 レクイエムの曲からイメージしたこの作品は、私の大きなテーマである“祈り”を表現した最初の作品です。3月11日に起こった東日本関東大震災で失われた多くの命、悲しみと不安・・・。私に出来ることは、“祈り”を込めて誰かの心に届く“繍絵“をつくること・・・。
※画面左右に表示される小さい画像をクリックすると作品が入れ替わります。